雇用保険の傷病手当とは?病気やケガで働けなくなったときに受給

雇用保険の傷病手当とは? 病気やケガで働けなくなったときに受給できます。
傷病手当はハローワークに求職の申し込みをした後に病気やケガで就職ができない間、給付される制度です。
このページでは、傷病手当の制度や受給要件、手続き、受給期間などを解説します。

 

雇用保険の傷病手当とは

雇用保険の傷病手当とは、基本手当の受給資格がある方が、病気やケガなどにより15日以上引き続いて働くことができない場合に受給することができます。病気やケガなどで働くことができない方の生活を保障するためにあるのが傷病手当といえます。

 

健康保険から給付される「傷病手当金」と名称が似ているので間違われることが多いのですが、別の制度です。

「傷病手当」と「傷病手当金」のちがい

 

傷病手当 雇用保険 失業中に病気・ケガで就職、求職活動ができないときに受給できる。
傷病手当金 健康保険 健康保険の被保険者(在職中に限る)がケガ・病気などで働けなくなった場合に受給できる。

これら2つの給付制度を同時にもらうことはできません。一定の要件に該当した場合、退職後も傷病手当金が支給されます。

 

傷病手当金(健康保険)について知りたい方は、以下の記事を参照してください。

 

傷病手当を受給するための3つの要件

1.基本手当の受給要件

傷病手当を受給するためには、まず前提として、失業保険の基本手当を受給できる要件を満たしていること。

基本手当の受給要件は、離職した日より前の2年間に雇用保険に加入していた期間が合計で12ヶ月以上であり、働く意志や能力があるにもかかわらず、就職等が決まっておらず失業等の状態にあること。

ただし、次の「特定受給資格者」や「特定理由離職者」の場合は離職した日より前の1年間の6ヶ月以上雇用保険に加入していた場合、受給できます。

 特定受給資格者 :倒産、事業所の廃止などが原因で離職した方

 特定理由離職者 :用期間に定めがあり更新を希望したものの更新の合意に至らなかったことや、その他やむを得ない理由で離職した方

基本手当は求職活動を行い失業の認定を受けられる場合に支給されるため、一定期間以上ケガや病気で求職活動ができない場合は受給要件から外れてしまいます。その期間をカバーするために基本手当の代わりとして支給されるのが傷病手当です。

 

2.離職後、ハローワークに求職の申し込みをしている

傷病手当を受給するためには、離職後、ハローワーク(公共職業安定所)に求職の申し込みを行っていること

 

3.病気やケガにより15日以上の就労が困難

離職後、ハローワークに求職の申し込みをした後に15日以上引き続いて病気やケガのために求職活動ができない状態にあること。

14日以内の病気・ケガの場合は、基本手当が支給されます。

 

求職活動ができない期間によってと傷病手当と基本手当のどちらかを受給

傷病手当と基本手当のどちらを受給できるかは、求職活動ができない期間によって決まります。

 

求職活動ができない期間と、受給できる手当

14日以内

基本手当を受給

15日以上30日未満

傷病手当を受給

30日以上

傷病手当を受給、もしくは※基本手当の延長かを選択

※基本手当の延長とは、求職活動ができず受給できなかった日数だけ、受給期間の満了日を後ろ倒しにできるというものです。受給できる額が増えるわけではありません。

求職の申し込みをする前にケガや病気で働けない場合には基本手当を受給できなません。その場合は延長の手続きをしましょう。

傷病手当を受給するときの手続き

失業保険の基本手当を受給中に病気やケガで求職活動ができなくなり、傷病手当へ移行するための手続き方法を説明します。

傷病手当受給までの流れ

1.必要書類を準備

「傷病手当支給申請書」と「雇用保険被保険者証」の2つを準備します。

傷病手当支給申請書はハローワークでもらえるほか、ハローワークのインターネットサービスから印刷することもできます。

また、傷病手当支給申請書には「病気・ケガの内容」や「傷病によって職業に就くことができなかったと認められる期間」などの医師の証明を受ける欄があります。証明には時間がかかることもありますので、早めに準備するようにしましょう。

ハローワークインターネットサービス   「傷病手当支給申請書」

 

2.申請書を提出

傷病手当支給申請書はハローワークへ直接申請書を持っていくか、郵送でも行えます。そのほか、ハローワークのWebサイト上で作成し、電子申請で届け出ることも可能です。

厚生労働省「電子申請(申請・届出等の手続案内)」

 

以上の流れで手続きをし、傷病の認定を受けると、基本手当から傷病手当に切り替わります。

 

傷病手当の受給期間

傷病手当が受給できる期間は、「基本手当の所定給付日数」から「すでに基本手当が支給された日数」を差し引いた残りの日数です。

 

基本手当の所定給付日数

基本手当の所定給付日数は、離職理由、離職日における年齢、被保険者であった期間等によって異なります。

1.会社都合や病気などやむを得ない理由で離職した方

会社都合とは、リストラや解雇、会社の倒産などでやむを得ず退職した場合など。

  1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日  ー
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

ただし、次の期間を除きます。

  • 雇用保険の資格を喪失してから、再び雇用保険に加入するまでの期間が一年を超える場合は、それ以前の期間
  • 失業等給付を受けたことがある場合は、受給資格決定に係る離職の日以前の期間等

2.自己都合で離職した方(1及び3以外)

自己都合とは、自ら退職を申し出て離職した場合

 

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上
すべての年齢  ー 90日 90日 120日   150日

3.障害のある人(就職困難者)

 

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上
45歳未満 150日 300日 300日 300日 300日
45歳以上65歳未満 150日 360日 360日 360日 360日

 

傷病手当の受給額

傷病手当は基本手当の代わりに受給できるものであり、日額は基本手当と同額です。

賃金日額(離職後直前の6ヶ月に支払われた賃金の合計÷180)の約50~80%(60歳~64歳の場合は45~80%)で算出されます。

 

傷病手当の日額は年齢ごとに上限が、以下のように定められています。(令和2年3月1日現在)

30歳未満 6,815円
30歳以上45歳未満 7,570円
45歳以上60歳未満 8,330円
60歳以上65歳未満 7,150円

 

まとめ

傷病手当は、失業中に病気やケガで求職活動ができなくなり基本手当を受給できなくなったときに替わりに受給できるものです。経済的な不安を少しでも減らし、就職するまでの支えとなります。詳しく覚えておく必要はありません、わからないことはハローワークで相談しましょう。

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